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NDA(秘密保持契約)に潜むリスクと対処法9選
~契約リスクの穴を埋める方法~

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この記事でわかること

  • NDAの落とし穴について弁護士が事例を交えて説明しています。
  • 要チェック9条文を題材に、NDAドラフト・レビュー時のリスクヘッジ方法を解説しています。
  • 自分でNDAをレビューしたい方必見の「すぐに使える参考条文例」付き。
  • 初めてNDAレビューをする方でも修正イメージを持ちやすい内容になっています。

ビジネスの現場で1番利用されていると言っても過言ではないNDA。でも、意外とその内容についてしっかり理解しているビジネスパーソンは少ないのではないでしょうか。
この記事では、NDAの必要性~注目すべき重要条文9つを題材に、自分でNDAレビューを行う際のポイントを解説していきます。

NDAってなんで必要なの?

NDAの役割とは?

NDA(「秘密保持契約」の他、「機密保持契約」とも言われます。)はなぜ必要なのでしょうか?NDAとは、取引を行う際や、取引を行うかどうか検討する際に、相手方に渡す重要な情報を保護するために締結するものだと言われています。コンテンツ制作~投資まで、あらゆる取引の前提として頻繁に利用されている重要な契約類型です。

ケーススタディ

では、いったいNDAがどう重要なのか、NDAがないとどんな不都合があるのか、具体的なケースを想定しながら考えてみましょう。

ケース1(NDAにより安心できる取引関係を作ることができた例)

A社は、かねてから協業したいと考えていたB社とのキックオフミーティングを行うことになった。しかし、想定している協業内容はB社固有の技術・ノウハウの使用を前提とするため、B社内部では、安易にこうした重要情報を外部に渡すことに躊躇する声もあがっているという。
そこで、A社はしっかりと作成されたNDAを先方に提出し「当社は秘密情報の取扱いには注意しているので、ご心配には及びません」ということを伝えた。
その結果、B社も安心して秘密情報を開示してくれるようになったため、協業の検討もはかどり、このプロジェクトは成功を収めるに至った。

読者のみなさんも、「NDAを締結してからでないとやり取りできません」と言われた経験があるのではないでしょうか。特にこれから情報のやりとりを行う場面では、NDAの締結を情報授受の前提条件とする企業が多いです。特に、情報は一度流出してしまったら事後的に是正することができない性質をもつため、こうした配慮が一般的になってきたのは当然の流れといえるでしょう。
つまり、NDAには、安心して情報のやり取り(=取引)を行うための場を設ける役割があるといえます。

ケース2(NDAを軽視した結果、重要情報を流用されてしまった例)

これから伸びると言われているスタートアップ企業C社は、業界大手のD社と業務提携契約を締結した。しかし、これに先立ってNDAは締結されておらず、業務提携契約書中の秘密保持義務の条項も薄い内容で、実行性に乏しい記載しかなかった。
そんなことは特に気にせず、C社は自社の価値をだそうと、自社ノウハウ等をD社とのミーティングにおいて積極的に共有していった。
そうこうしているうちに、D社から「提携の話はなかったことにしてください。業務提携契約も解除します。」といわれてしまった。
その後、D社は、C社のノウハウ等を活用してC社類似のサービスをリリースし、資本にものを言わせてこの業界をリードしていく存在となった。

このように、NDAを軽視して情報をシェアしてしまったことにより、C社は取り返しのつかないダメージを受けてしまいました。企業の例以外でも、フリーランスの方がコンテンツ制作を請け負う場合などでも、このケースからも分かるように、NDAなんてなくてもよいと考えていると、契約リスクの穴に転落してしまいます。
※当然、営業秘密として保護されるケースもあります。

NDAをレビューするって何をすればいいの?

NDAに潜む契約リスクの穴を埋めるためには、どのようなNDAを締結するべきでしょうか。また、そのようなNDAを作成・レビューするためには、どうすればよいのでしょうか?企業に属する方の他、フリーランスのエンジニア、ライター等の方でも自分でNDAをチェックする方法をご紹介します。

まず自分の立場がどちらか確認する

NDAに触れる際には、まず自分の立場を確認しましょう。なぜなら、自分の置かれた立場を前提に条文を読まないと、その条文が自分にとってリスクかどうかを判断することができないからです。NDAの場合、契約当事者の立場は以下の3パターンに大別できます。

1. 開示者の立場(秘密情報を渡す場合)

秘密情報を渡す立場の人を「開示者(開示当事者)」といいます。この立場の人が一番に考えるべきことは、「どうやったら情報漏えいと悪用を防止できるか」です。NDAの条文のほとんどは、情報漏えいや悪用を防止する手段と考えることができるからです。なので、開示者の立場の方は、相手が情報をどのような場合に使用でき、情報を漏洩させないために、どのように行動して欲しいかを考えながらNDA契約書を読むと理解が進むと思います。

2. 受領者の立場(秘密情報を受け取る場合)

他方、秘密情報を受け取る立場の人は「受領者(受領当事者)」といいます。エンジニアさん・ライターさん等フリーランスの方などは依頼主である企業から情報を受け取る立場になるケースが多いのではないでしょうか。
そして、受領者の立場で重要な観点は「この条文(=ルール)どおりに行動したら、自分はどんな不利益を受けるだろうか」です。開示者の箇所で説明したように、NDAは情報漏えいや悪用を禁止するために受領者の行為などを規律する内容が多いです。そのため、その内容どおりの行動をした場合に自分が窮屈すぎる、これは受け止めきれないと感じたら、その条文はあなたに不利に働く可能性がある条文であることが多いです。

3. 両方に該当する立場(双方ともに開示・受領をする場合/双方開示型)

両者ともに秘密情報を渡しもするし、受け取りもするケースは、よく「双方開示」といわれます。相手に渡す秘密情報の重要性にもよりますが、双方開示の場合には、自社の秘密情報に重きをおき、開示者の場合と同様の観点から(=情報保護の観点から)契約書を読むことがお勧めです。というのも、一度流出してしまった秘密情報は、流出した情報を消し去ることはほぼ不可能だからです。
いずれにしろ、契約書を読むときは、現実に自分を規律するルールであることを忘れてはいけません。

自分にデメリットのある記載を探して削除or修正する

上記のとおり自分の立場、およびその立場からNDAを読む際の観点を確認したら、読みながら自社に不利・厳しい記載をピックアップしましょう。そして、ピックアップが済んだら削除、又は公平・妥当な内容に修正しましょう。
しかし、どこにリスクの穴があり、どの条文をどのように修正すべきか判断するには、一定の経験値が必要になってきます。そこで、以下では、実際の条文例を参考に、修正案を確認していきましょう(※あくまで一例です)。

チェックすべき重要条文と修正方法のポイント解説

それでは、実際の条文例を参考に、各条文の役割と、各立場ごとのポイントを見ていきましょう。なお、参考条文例のうち赤字部分は、各立場から着目してほしい修正ポイントを表しています。

(1) 開示目的

ア 役割

NDAでは、一定の目的のもと秘密情報を相手方に渡しますが、その秘密情報を受領者が使用できる範囲を決めておかないいと、目的外に勝手に流用されてしまう懸念があります。そのため、開示目的の範囲を適切に定めておく必要があります。

イ 立場ごとのチェックポイント

(ア) 開示者の目線
甲から乙への新商品●●のデザインの作成を目的とした業務委託の検討を行うことを目的(以下「本目的」という。)として、秘密情報を開示する。

開示者の立場からは、開示目的はできる限り特定した形で記載することが望ましいです。仮に広すぎる開示目的を定めてしまうと、その範囲内では、受領者による秘密情報の利用が可能になってしまうためです。不要な部分は削り、必要十分な開示目的とすることを心がけましょう。

(イ) 受領者の目線
甲から乙への業務委託契約の締結の検討又は当該業務委託契約の遂行を行うことを目的(以下「本目的」という。)として、秘密情報を開示する。

他方、受領者の立場からは、比較的開示目的を緩やかに記載することが望ましいです。特にこれから契約を締結する場合には、広く情報を受領する必要がある他、目的外使用との主張を受けにくくする必要があるためです。

(2) 秘密情報の定義(範囲)

ア 役割

秘密情報の定義によって、秘密情報の範囲が決まります。秘密情報に含まれる条文の範囲が広い場合には、多くの情報がNDAのルールに従い保護されるため、開示者に有利です。
他方、秘密情報の範囲が狭い場合には、秘密保持義務違反を問われる対象が少なくなるため、受領者に有利になる傾向があります。
また、その範囲を決める観点は2種類あり、①情報の内容に着目したもの、②情報を開示する方法に着目したものに分類できます。

イ 立場ごとのチェックポイント

(ア) 開示者の目線
本契約においいて、秘密情報とは、開示者から受領者に開示された一切の情報をいい、口頭か書面・電磁的方法によるか等開示の方法を問わないものとする。

上記文例では、情報の内容については「一切の情報」として、開示された情報全てを秘密情報に含めていることから、開示者に有利な内容となっています。
また、開示方法の点についても「開示の方法を問わない」とされており、開示者から受領者に開示された情報は広く秘密情報に含める趣旨の条文となっているため、受領者に有利な条文となっています。

(イ) 受領者の目線
本契約において秘密情報とは、開示者が、受領者に対して開示した営業上又は技術上の情報のうち、次の各号に掲げる事項に該当する情報をいう。なお、口頭で開示された情報については、開示後14日以内に、書面又は電磁的方法で秘密である旨特定された情報に限る。
(1) 成果物の図面及び仕様
(2) マーケティング企画・戦略、事業計画、製品開発計画
(3) 顧客情報

上記文例は、秘密情報をピンポイントで指定することにより、秘密情報に含まれる情報の範囲を限定しようとした例です。秘密情報を限定することにより、情報の管理コストや、情報漏えい等のリスクを低下させることができます。
また、開示方法についても、口頭での開示の場合には事後的な特定を要求することで、どの情報が秘密情報に該当するのかを明確にし、管理コスト・情報漏えいの予防を図ることができます。

(3) 第三者への開示の禁止・目的外使用の禁止

第三者への開示の禁止

受領者は、開示者の事前の書面による承諾なく、秘密情報を第三者に開示又は漏洩してはならない。

目的外使用の禁止

受領者は、開示者の書面による事前の承諾がない限り、本目的以外の目的で、秘密情報を使用してはならないものとする。

これらの条文は、ともに開示された秘密情報を保護する役割を果たし、NDAの中心的存在といってよいでしょう。というのも、そもそも秘密情報なので、関係のない第三者に対して開示されないことを保証してもらわないと、秘密情報を渡せないためです。
また、秘密情報は前述した開示目的の範囲でのみ使用することを約束してもらわないと、開示者は情報の流用がこわくて秘密情報を開示することなんてできません。
従って、受領者の立場からも、この条文にレビューをいれることは基本的にありません。

(4) 第三者への開示禁止の例外

ア 役割

この条文は、誰にならば秘密情報を開示してもよいか。当事者間であらかじめ決めておくための条文です。秘密保持契約が前提とする取引等では、一定の者については秘密情報を知っていないと取引の遂行に支障が出る可能性があるため、事前にこの点を決めておく必要があります。取引をスムーズに回すために必要十分な範囲の者が含まれているか、逆に多すぎないかという観点からチェックしてみてください。

イ 立場ごとのチェックポイント

(ア) 開示者の目線
受領者は、次の各号のいずれかに該当する場合、開示者の承諾なく秘密情報を開示することができるものとする。
(1) 官公署若しくは法律の要請により開示する場合
(2) 本件取引のために知る必要のある最小限の自己の役員及び従業員に開示する場合
(3) 弁護士、公認会計士等の法律上の守秘義務を負う専門家に開示する場合

(1) は、裁判所やその他の公的期間から開示を求められた場合です。基本的に法律を根拠とするため、開示を認める必要があります。
(2) は、受領者の役職員です。開示者の立場からすると、受領者内部の人とであっても、「昼必要のある最小限」の者に限定して、秘密情報が受領社内部で散逸することを防止すべきです。
(3) は、取引の法的側面等をチェックするために関与する必要のある専門家です。特に法律上の守秘義務を負うものについては、開示しても情報漏えい等の心配は低いため、開示範囲として妥当でしょう。

(イ) 受領者の目線
受領者は、次の各号のいずれかに該当する場合、開示者の事前の承諾なく秘密情報を開示することができるものとする。
(1) 官公署若しくは法律の要請により開示する場合
(2) 自己の役員及び従業員に開示する場合
(3) 弁護士、公認会計士等の法律上の守秘義務を負う専門家に開示する場合
(4) 親会社、子会社、関連会社
(5) 再委託先
(6) アドバイザー・コンサルタント(法律上守秘義務を負わないものを含む。)

他方、受領者はあらかじめ開示する必要のあるものをリストアップし、不足している場合にはその人・会社を追記しましょう。ここで追記漏れをしてしまうと、都度相手方から承諾を得て開示する必要がある他、勝手に開示してしまうと、NDA違反を問われてしまいます。

(5) 第三者に開示する場合に負う責任

ア 役割

第三者に秘密情報を開示する場合であっても、できる限り情報漏えいリスクはヘッジしておきたいし、万が一第三者経由で情報漏えいが生じた場合の責任の所在は明確にしておきたいものです。そのための役割を果たすのが、この条文です。

イ 立場ごとのチェックポイント

(ア) 開示者の目線
受領者は、第三者に秘密情報を開示する場合、当該第三者に本契約と同等の秘密保持義務を課すものとし、また、当該第三者の行為について連帯して責任を負うものとする。

開示者としては、第三者から情報漏えいが生じることは防ぎたいため、受領者から第三者への秘密情報の開示にあたり、この契約と同程度のNFDAの締結を条件としてもらうことが考えられます。
また、仮に第三者から情報漏えいが起きた場合には、受領者に責任をとってもらうことをあらかじめ定めておくことで、契約当事者でない第三者の情報漏えい事故についても、損害賠償の手段を確保することが可能になります。

(イ) 受領者の目線
受領者は、第三者に秘密情報を開示する場合、当該第三者に本契約と同等の秘密保持義務を課すものとする。

他方、受領者からすると、自分以外の第三者の情報漏えい事故までも当然に自分の責任とされてしまうのはできる限り避けたいでしょう。そのため、「第三者の行為について自社が責任を負う」旨の記載を削除することで、自分の預かり知らないところで生じるリスクをヘッジすることが考えられます。

(6) 知的財産権の帰属

ア 役割

普通、知的財産権の帰属についてはNDAに続く取引契約の中で規定することが一般的です。しかし、中にはNDAの中で知的財産権の帰属を明確化する条文が入っている契約書が存在するため、慎重に確認する必要があります。

イ 立場ごとのチェックポイント

(ア) 開示者の目線
開示者が開示した秘密情報に基づき、受領者が発明、考案、意匠の創作等を行った知的財産権については、開示者に帰属するものとし、受領者は開示者に著作権が帰属する著作物について著作者人格権を行使しないことを確認する。なお、受領者が秘密情報に基づく何らかの開発、発明、考案、創作(以下「発明等」という。)を行った場合、受領者は、速やかに開示者に通知するものとする。

開示者としては、自社の秘密情報を活用して新たな権利が発生した場合には、その権利を自社に帰属させたいと考えるでしょう。その場合には、上記のように、あらかじめ秘密情報を基に作成された成果物に権利帰属について握っておくことも考えられます。

(イ) 受領者の目線
開示者が開示した秘密情報に基づき、受領者が発明、考案、意匠の創作等を行った知的財産権について、その帰属は別途締結する取引契約の定めに従うものとする。

他方、受領者としては、NDAを締結してこれから秘密情報を受領する段階では、成果物の権利帰属まで明確に判断できないことが多いと思います。そうした場合には、「秘密情報を活用した権利の帰属は取引契約において定める」旨修正することで、まだ見通しが悪いのに、安易に権利移転されてしまうことを防止することができます。

(7) 秘密情報の返還・破棄

ア 役割

秘密情報は開示者にとって重要な情報なので、必要がなくなったら返してもらうか、破棄等してもらうことにより情報漏えいリスクを低下させる必要があります。秘密情報の返還・破棄・消去等の条文がNDAに記載されているのは、こうした理由によります。

イ 立場ごとのチェックポイント

(ア) 開示者の目線
受領者は、本契約が終了した場合又は開示者が要請した場合には、直ちに秘密情報を返還するか、開示者の指示に従い破棄若しくは消去するものとする。

そのため、開示者としては、「自分の判断で秘密情報を受領シャンおもとからなくすことができること」が大切になってきます。情報管理のイニシアティブを自分ベースにすることで、秘密情報の漏洩を予防しようという発想です。

(イ) 受領者の目線
受領者は、本契約が終了した場合又は開示者が要請した場合には、直ちに秘密情報を返還するか、開示者の指示に従い破棄若しくは消去するものとする。ただし、取引契約の遂行のために必要な場合、受領者はその限度で必要となる秘密情報を保持することができる。

他方、受領者としては、後続する取引契約の遂行(たとえば業務委託契約の遂行のため)に必要な情報まで返さなくてはならなくなってしまうと、大変困ります。そこで、一定の場合にはなお秘密情報を保持できる旨修正することで、実務上の混乱を避けることが考えられます。

(8) 損害賠償

ア 役割

この条文は、もし受領者が秘密情報を漏らしてしまったり、目的外使用をしてしまったりした場合に、開示者に生じた損害を賠償するために用いられるのが典型的なケースです。
着眼ポイントとしては、①「どこまでの損害を賠償することになるのか」②「そのような場合に賠償することになるのか」です。

イ 立場ごとのチェックポイント

(ア) 開示者の目線
受領者は、本契約に違反して、過失の有無を問わず、開示者に損害が生じたときは、開示者に対し、当該損害(紛争解決に要した弁護士費用及び人件費並びに逸失利益を含み、特別の事情により生じたか否かを問わない。)を賠償しなければならない。

開示者としては、賠償される損害は多ければ多いほどありがたいです。そのため、賠償されるべき損害の範囲として「弁護士費用・人件費」「逸失利益」「特別の事情により生じた損害」などが含まれることを明記しています。仮にこれらの文言を入れないと、民法の原則が適用されることになり、ケースにもよりますが、これらの損害は賠償範囲から弾かれることがあります。
また、「過失の有無を問わない」旨を記載することで、情報漏えい等が生じた場合には、受領者に落ち度があろうとなかろうと賠償請求できることを明記しています。情報は一度漏洩してしまうと回復不可能な性質をもつため、受領者の過失の有無を問わず、慎重な取扱いを促す趣旨も含んでいます。

(イ) 受領者の目線
受領者は、自己の責に帰すべき事由により本契約に違反して開示者に損害が生じたときは、開示者に対し、現実に生じた通常かつ直接の損害(少なくとも逸失利益及び、特別の事情により生じた損害を除く。)に限り、賠償しなければならない。

他方、受領者としては、開示者と逆のベクトルで考えればよいことになります。万が一漏洩事故が起きてしまった場合には、賠償範囲に含まれる損害をできる限り絞り、賠償額が青天井になることを防止しましょう。
また、自分がちゃんと秘密情報を管理していたのに、不可抗力で情報漏えいが起きてしまった場合などにまで賠償義務を負わなくて良いように、「自己の責に帰すべき事由により=自身の過失により」情報漏洩等が生じた場合に限り責任を負う内容としましょう。

(9) 秘密保持義務の期間

ア 役割

受領者が第三者への開示の禁止、目的外使用の禁止などの秘密保持義務をいつまで負うかを決める条項です。この期間の長短により、開示者は秘密情報漏えいを長期的に担保できるのに対して、受領者は一定の期間当該義務を負担しなければなりません。
秘密保持義務の長さを決める条項として、NDAには2つの条文が入っていることが多いです。

(ア) 契約の有効期間
本契約の有効期間は、本契約締結の日から1年間とする。

1つ目は、契約の有効期間の条文です。その名のとおり、NDAの有効期限を定めるもので、少なくともこの期間中は秘密保持義務が有効です。

(イ) 契約終了後の秘密保持義務(存続条項)
第●条、第●条乃至第●条、第●条第●項、本条及び条項の性質に鑑み当然に存続すべき規定は、期間満了、解除、失効、その他理由の如何を問わず本契約が終了した後も効力を有するものとする。ただし、第●条、第●条、第●条については、本契約終了後、3年間に限りその効力を存続するものとする。

上記(ア)有効期間が終了した後でも、秘密保持義務に関する条文のみは依然として有効であることを定める条文です。特に下線部に秘密保持義務関連の条文数が入ることが多く、ここの年数いかんで契約終了後もどの程度秘密保持義務が存続するのかが決まってきます。

イ 立場ごとのチェックポイント

(ア) 開示者の目線
・・・(省略)・・・。ただし、第●条、第●条、第●条については、本契約終了後、5年間に限りその効力を存続するものとする。

開示者としては、開示した秘密情報の性質を考え、比較的長期間秘密として保護してほしい場合には、期間を伸ばすことが考えられます。また、「ただし、・・・」以下を削除し、前の文章に秘密保持義務関連の条文も入れてしまい、秘密保持義務の期間を永続的にすることも考えられます。

(イ) 受領者の目線
・・・(省略)・・・。ただし、第●条、第●条、第●条については、本契約終了後、1年間に限りその効力を存続するものとする。

他方、受領者としては、できる限り義務を負う期間は短くしたいものです。そのため、上記のように秘密保持義務関連の存続期間を短縮することが考えられます。
とはいえ、この期間は情報の性質により適した期間があるため、なんでも短くするのではなく、開示社にとってどの程度重要な情報か、どの程度の期間でこの情報が陳腐化するか等を考えて、妥当な期間に限定することをおすすめします。

おわりに ~契約書チェックサービスAI-CONの活用~

さて、NDAの読み方、修正方法は理解できたでしょうか?上記はあくまで一例であり、NDAには他にも気をつけるべき条文や修正方法が沢山あります。
また、契約書の修正時に気をつけたいのが、相場観を意識したレビューを行うことです。この点を外したレビューをすると、先方の反感をかってしまうこともあり、面倒な点です。

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