本サービスと弁護士法等について

2018年12月26日

弁護士 深澤 諭史

1 このサービスは、弁護士法72条に違反するのではないですか?

違反しないものと考えます。

2 違反しないと主張するが、十分な検討を行ったのですか?

十分な検討を行っております。本サービスは、弁護士を含む士業の利用も想定しております。したがって、弁護士法違反の場合の利用者のリスクは大きなものとなると考えられます。
そこで、当社としては、弁護士法に違反しないことを極めて重要な問題と捉え、内外の弁護士の意見を踏まえて運用あるいは広報しております。

3 本サービスが弁護士法に違反する場合のリスクは何ですか?

かりにそうであった場合、当社自身の他、利用者に重大なリスクが生じると考えていますので、検討には慎重を期しております。
具体的には、合意が無効になるリスク(実際に行政書士関与の公正証書が無効と判断された裁判例等もあるところです。)、弁護士が利用した場合の非弁提携と判断されての懲戒リスクなどが考えられます。

4 十分な検討というのは、具体的にどういうことですか?

過去の判例や、最近は弁護士法関係の裁判例が頻出しておりますのでそれに基づき、そして、弁護士が利用者である場合は弁護士会の見解に従う必要があるため、弁護士会の出版物、非弁問題の実務を踏まえて検討しております。

5 検討の結果、弁護士法72条に違反しないと判断した理由は何ですか?

その理由は多岐にわたりますが、第1の理由は、「他人性」が存在しないことです。弁護士法72条は他人の法律事件に関する法律事務の取り扱いを禁じております。したがって、自分の債権を自分で回収するような場合、すなわち自分自身の法律事務の取り扱いを規制するものではありません。
本サービスは、利用者の入力のみに基づいて、あらかじめ定められた結果を返すものです。したがって、独自に判断や鑑定などを提供しておりません。利用者が利用者自身の法律事務を行なうにあたり、その補助を行なっているだけとなります。したがって、本サービスは、自己の法律事務を取り扱うだけであるので、弁護士法72条に違反しないものと考えます。

6 本サービスは、本当に他人性が否定できるのか。利用者の入力に答えるだけ、といっても、それは弁護士が行う契約書チェックでも同じではないですか?

そのリスクについては、慎重に検討しております。現状、あるいは、今後の本サービスの改良進歩により、実質的にも本サービスが法律事務を取り扱っているのではないか、との評価を受ける可能性も考慮しております。具体的には、かりに他人性を満たすとしても、法律事務の取り扱いには該当しないと判断しております。

7 他人性の要件を満たしても、弁護士法72条に違反しないとする論拠は何ですか?

本サービスは、法律事件に該当するが、法律事務には該当しない、というものです。

8 本サービスが法律事務に該当しないとは、具体的にはどういう意味ですか?

本サービスは、弁護士法72条が例示する「鑑定」「代理」「仲裁」「和解」「その他の法律事務」のいずれにも該当しないという意味です。

9 「鑑定」「代理」「仲裁」「和解」「その他の法律事務」のいずれにも該当しない理由は何ですか?

本サービスは、自ら契約の一方当事者への意思表示を代理したり、代行するものではありません。また、両当事者の意思形成や交渉に関与する機能を持ちません。したがって、「代理」「仲裁」「和解」のいずれにも該当しません。
また、本サービスの利用そのものによって法律関係を変動させたり明確化するものではないため、「その他の法律事務」にも該当しません。
「鑑定」については、法的判断の提供ではなく、かりにそうであるとしても、専門的法律知識に基づくものではないので該当しないと判断しております。これについては、慎重に検討をしております。

10 弁護士法72条にいう「法律事件」に該当しない、という立場はとらないのでしょうか?。

とっておりません。

11 弁護士法72条にいう「法律事件」に該当しない、という立場をとらない理由は何ですか?

本サービスを(他人性の問題を別にすれば)法律事件に該当しないと理解することは困難であるからです。その解釈を前提とすると、利用者とくに弁護士に大きなリスクを負担させることになるため、不相当な見解であると考えております。

12 本サービスが弁護士法72条にいう「法律事件」に該当するという理由は何ですか?

弁護士法72条にいう「法律事件」とは、紛議の生じる可能性のある案件または、法律関係や権利義務を変更する案件をいうと理解しております。本サービスは、それ自体は紛争を対象とせず、法律関係を変更するものではないが、案件としては、紛議の可能性があることもあり、すくなくとも法律関係を変動させる案件に関するものと考えられます。したがって、法律事件に該当するとの前提で検討をしております。

13 「法律事件」について、いわゆる事件性必要説などは採用しないのですか?しないのであれば、その理由はなぜですか?

事件性必要説は採用しておりません。

その理由は、現在、いわゆる事件性必要説は実務上採用されていないと思われ、近時の裁判例もその傾向であるためです。また、本サービスは、弁護士の利用も想定しております。そして日本弁護士連合会調査室は、その著作で、事件性不要説を採用しております。そうすると、かりに本サービスが弁護士法72条に違反していた場合、利用している弁護士については、弁護士法27条、弁護士職務基本規程11条違反の可能性が生じることになり得ます。
そこで、弁護士会が採用するであろう解釈つまり事件性不要説を前提にするべきと考えます。
以上が、事件性不要説を前提として検討をした理由となります。

14 今後について

本サービスは、改良を続けており、今後、他人性が認められる、あるいは法律事務該当性の関係で、疑義のご指摘をいただく可能性もあることも想定しております。ついては、ご利用者様には安心して利用していただけるよう、今後とも、弊社では弁護士法を含む法令の遵守のため、検討と改良を続けていく所存です。

以上