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後悔する前に!中小企業・スタートアップならではのNDA(秘密保持契約)で押さえるべき3つのポイント

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この記事でわかること

  • 中小企業やスタートアップ企業での契約書チェックリソース不足に起因したトラブル事例。
  • 中小企業・スタートアップが、締結先と良好な関係を維持しつつ、自社の未来における事業展開のチャンスを両立させるためのNDA締結の重要ポイント。

中小企業やスタートアップ企業が、取引相手との契約締結時に気をつけるべきポイントとして、「大手企業との取引」や「自分たちが仕事を受託する側としての取引」があります。会社の規模や受発注といった関係性は、少なからず、契約当事者に影響が出るからです。フリーランスのような就業形態から比較すると、法人としての会社は信用度も上がるため、取引できる金額や企業規模が上がる半面、内包するリスクも増える傾向があるといえます。

以前は、継続的な取引関係があれば、あらためて契約を締結をしないケースもありましたが、リスク管理の重要性や世間の契約意識の高まりもあり、契約書で厳密に決めておくシーンが増しつつあります。
ニュースなどでも、たとえばタレントが事務所と契約書を交わしていないことが問題となったり、システム開発の契約で大規模な損害賠償となるケースは、皆様も最近見聞きしたことがあるかと思います。
以前は当事者間の慣習や口約束で成立したような場合でも、当事者同士の妥協や忖度で、落としどころを決めるような方法が徐々に難しくなっているといえるでしょう。

特にBtoBの事業の場合、様々な規模の企業との取引が発生します。会社の規模が異なる場合、その立場の違い・関係性や、業務への着手の都合からも、時間をかけた交渉が難しい場合もあります。これは、取引の開始時点で締結されることが多いNDA(秘密保持契約)について、特に該当します。締結を急ぐあまり、将来のリスク管理がなおざりになってしまうことがあり得るというのは、想像に難くないでしょう。

本記事では、中小企業・スタートアップのNDA締結において、締結先と良い関係、 そして自社の未来における事業展開のチャンスを両立することを前提として、ここだけはどうしても押さえておきたいポイントを紹介します。

そもそもNDA(秘密保持契約)ってどんな契約?

NDAは「Non-disclosure agreement」の略称で、日本語では「秘密保持契約」と呼ばれます。

取引を行う際に必要となる営業上の秘密やデータ、顧客情報といった秘密情報の取り扱いや双方の秘密保持義務、開示された秘密情報の利用目的などについて定めた契約です。
同様の契約書として、「機密保持契約」「守秘義務契約」などもあります。企業間の取引の場合は大半が「秘密保持契約」「機密保持契約」になります。皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?

秘密保持契約は、法律で定められる守秘義務とは違い締結者間の契約上の義務で、違反した場合には損害賠償や差止め請求について記載されていることがほとんどです。また明確な違反に該当しなくても当事者感の信頼関係にも大きく影響する可能性があり、決して軽視できない契約です。

中小企業・スタートアップにとってNDA(秘密保持契約)はどんな意味がある?

NDAの締結理由としてもっとも多いのは、取引を検討する段階で必要な情報を安心してやりとりできるようにするためです。これには、受発注の意思決定に必要な見積もり提出やコンペ参加といったイベントも含まれます。

「念のため」締結する場合もあれば、まだ世に出る前の新製品に関わる情報だったり、競合状況がシビアなケース、特許や知財、営業秘密に関する情報など、業種や案件によって秘密情報の重要性はまちまちです。通常、企業間で取引をする際にやり取りされる情報であれば、少なからず秘密情報に該当することが想定されます。

また、中小企業やスタートアップは、自社より大規模な会社と取引する可能性があります。特に業務を受託する場合は、NDAの内容次第では、将来、以前業務を受託した会社と競合関係にある企業との取引が制限されたり、会社経営の打ち手の自由度が制限されてしまう可能性があります。コンペや提案段階ではまだ外部に明らかにしていない自社の営業秘密を開示する可能性もあります。

NDAは一見、ライトな契約という印象もあります。確かに締結する時点で障害となることは他の契約に比較して少ないかもしれませんが、将来の事業展開に影響することもある重要な契約と言えます。

中小企業・スタートアップのNDA(秘密保持契約)にまつわるトラブル事例

中小企業やスタートアップ企業では、社内に契約書チェックを専門に行う人や部門がなかったり、顧問弁護士とも最低限の契約しかしておらず、契約書をチェックするリソースが十分でないことがあります。それらに起因してよくあるトラブル事例を3つ紹介します。

成果物に秘密情報が含まれており未来の仕事に支障が出てしまった

納品する成果物に他社から受領した秘密情報が含まれている認識がなく、そのためにこの成果物を異なる仕様で作り直す必要が生じたり、そもそも秘密情報を流用してしまっていないかどうか、調査に労力を費やさざるを得ないケースです。

業務を受託した側は自力で作成したと考えているある成果物。 そのままの内容で他の会社に提供することはさすがにありえませんが、そこに使われているアイデアや仕様について取引先から開示された情報が含まれるケースはありえます。

また、秘密情報に該当するかどうかが明確でなく、判断が分かれる場合もあります。秘密情報の定義付けが明確になっていない契約書を用いると、この情報が秘密情報に該当しているかを特定するだけでも手間が発生してしまう可能性があります。

契約締結時の定義はもちろん、業務を遂行する中でも常に「今扱っている情報は秘密情報に該当するのか」を意識する必要があります。

自社の営業秘密などの秘密保持意識が弱く、取引先に利用されてしまった

こちらはコンペ参加時や見積提出のための打ち合わせ時に起こるケースで、「ちょっと提案してもらえますか?」といった依頼で打ち合わせになることはよくあります。

ただし、その際に自社が提供する情報に秘密保持義務を設定していないことにより、聞かれるがまま、得意になって自社の営業秘密や技術的な優位点について話してしまうケースです。
大抵の場合、提案時に開示する情報はすでにホームページなどで公知になっていることが対象になりますが、そうでない情報をやり取りするときは資料等に「confidential」マークを付すなどの工夫をして、NDAの対象になることを明確にしておきましょう(もちろんNDAの締結は忘れないでください)。よくあるのは、取引先の社名や社数、売上額などです。

大企業から「ぜひ提案お願いします」とか言われると、どうしても期待からサービストークしてしまうこともありますが、気を付けておきましょう。

競業避止義務の範囲や期間を大きく設定してしまい将来の事業に支障が出てしまった

過去に行った仕事と競業してしまうことを防ぐ「競業避止」が、NDAの中にこっそり入れられていることがあります。

通常は、妥当な期間において、過去の取引先と競業してしまう事業を自ら立ち上げたり、競合関係にある企業からの仕事を請けることが制限されます。

自社の極秘情報を開示するケースなどでは、競業避止義務の設定自体は発注側の権利維持のために必要な場合もある条項ですが、トラブルになってしまうのはこの競業避止の期間や対象範囲が過度に大きいケースです。

こうなってしまうと、受け取った秘密情報を流用していないにもかかわらず、まだ未確定の将来の事業拡大チャンスを逃してしまう可能性があります。

中小企業・スタートアップのNDA(秘密保持契約)締結時に押さえておきたい3つのポイント

ではこれらトラブルを防ぎ、将来の営業活動に支障をきたさない管理のために、NDA締結時に必ず確認しておきたいポイントを3つ紹介します。

(1) NDA締結の目的を明らかにする

まず「何を目的としてNDAを締結するか」を、必ず明確にしましょう。ありがちなのが、営業活動や商談を開始するタイミングで「とりあえずNDA」となってしまうケースです。
「協業可能性の検討」「発注内容や見積もり額の算出」「コンペ参加のための情報提供」など、NDA締結の目的を明らかにすることで、後述する対象範囲や期間に対しても合理的に根拠をもって交渉できます。
また、目的の範囲は、情報の開示者であればより具体的に記載した方が、情報流用の芽を潰しやすくなります。

(2) 秘密保持の対象や範囲を特定する

秘密保持の対象となる情報や範囲は、前もって厳密な定義は難しいため、抽象的に表現されることも多いのですが、ここもできるだけ特定しましょう。

何が対象になるかに加え、何が対象にならないか、も同じくらい重要です。すでに公知になっていること、契約前から知っていたこと、提供される情報の媒体(書面や口頭など)など、秘密情報になる対象を特定した上で、関係ない情報はできるだけ対象外にしておきましょう。

また、受け取る情報に加え、自社から提供する情報についても注意しておきましょう。特に技術力や特定の製品の競争力があるスタートアップの場合、これら情報が事業の成否を決める要因にもなります。先方から受領する情報に気をとらえるあまり、自社が開示する情報がカバーされているかについて、おろそかにならないように注意しましょう。

(3) 秘密保持期間や競合避止期間を限定する

秘密保持期間として、検討期間やプロジェクト実行う期間が対象になることは当然ですが、それらが終了した以降も一定期間は秘密保持義務が存続したり、競業避止義務が入っている場合には競合となる事業や取引ができない競合避止期間が発生することもあります。

終了後に秘密保持義務や競合避止義務が発生すること自体は受け入れざるを得ない側面もありますが、期間が不自然なほど長かったり、場合によっては半永久的な義務を求める記載になっているケースもあるので注意しましょう。リソースの少ない中小企業やスタートアップは強みに特化することで競争力を構築するケースも多いので、不要な制限が生じないよう必ず確認しておきましょう。もちろん、先方の秘密情報を流用してはいけませんので、あくまで必要以上の制約を排除する、という考え方が大切です。

おわりに

以上、とくに中小企業やスタートアップ企業におけるNDA(秘密保持契約)において確認してきおきたいポイントを紹介しました。契約締結の際は、最低限これらはチェックできるようにしておくことをおすすめします。

著:有賀 之和(AI-CON事業責任者)

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