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創業間もない企業こそ押さえておきたい、業務委託契約の9つのチェックポイント

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この記事でわかること

  • 対象となる業務の範囲が広く、自由度が高い業務委託契約書を受託側としてチェックすべきポイントを知ることができます。

業務委託契約は、日々交わされる契約の中でもNDA(秘密保持契約)と並んで頻度の多い契約です。以前から企業間においては頻繁に交わされる契約でしたが、インターネットの普及や副業推進を背景に、フリーランスや個人事業主を主体とした仕事が増えており、この増加に伴って業務委託契約の締結も増えているようです。

業務委託契約は対象となる業務の範囲が広く、自由度が高いことが特徴です。その反面、たとえば秘密保持や競業避止、成果物の権利など、将来の事業活動を左右する重要な条項を含むことが多く、契約内容チェックにおいては経験やスキルが求められる契約です。

創業後まもなく、まだ資産や独自サービスがない中小企業やスタートアップにとって、締結頻度の多くなる「開発契約」「コンサルティング契約」「コンテンツ制作」といった契約は、大別するとこの”業務委託契約”のカテゴリーに含まれることになります。
したがって、業務委託契約がこの段階の企業にとって、もっとも重視すべき契約種類といえるかと思われます。

本記事では、創業間もなく契約締結経験が少ないスタートアップや中小企業、個人事業主(フリーランス含む)の方に向けて、受託側として業務委託契約を締結する場合に最低限押さえておきたいポイントを、実際のトラブル事例と合わせて紹介します。契約を締結する前のチェックリストとしてお使いください。

そもそも業務委託契約とはどんな契約?

おさらいとして、業務委託とはどんな契約なのか、基本を確認しておきましょう。

業務委託とは、自社でやりたい業務を他の企業や個人などの第三者に委託(外注)するための契約で、この外注内容に関して、契約書において業務内容や条件を定めるものです。他にもよくある契約として、Web制作や開発、コンテンツ制作、コンサルティングなども広くは業務委託契約に含まれます。

会社の外の人に働いてもらうという点では雇用契約に似ていますが、いくつか違いがあります。

  • 雇用契約と違い、指揮命令権は発生しない
  • 雇用契約ではないので、労働基準法や労働契約法上の保護の対象にならない
  • 業務委託のうち請負契約・改正民法の準委任契約のうち、完成型といわれる性質の契約では、成果物や依頼された仕事の完成責任を持つ

このような違いがあります。

しかし、中には業務委託契約を締結しているはずなのに、実質的に労働者と同じ扱いとなっていたというトラブルもあります(いわゆる「偽装請負」と呼ばれる違法行為です)。契約が締結できたからといって安心せずに、締結内容が実態に即しているかは注意しましょう。

業務委託契約の種類を確認しておきましょう

業務委託には大きく2つの種類があります。重要な違いなので整理しておきましょう。

1.請負契約/(成果完成型)準委任契約

依頼時に成果物・依頼された仕事の完成を目的として結ぶ契約です。成果物の完成責任は受託者側にあるので、完成ができない場合は、原則として、受託者は報酬を支払ってもらえません。システム開発やWeb制作、記事ライティングなど具体的な納品物があるケースは請負契約となるケースが多いのではないでしょうか。

※2020年4月1日の民法改正により、準委任契約のうち成果完成型と呼ばれるものについては、一定の成果の引渡しに応じた報酬の支払いがなされるため、請負契約に近い性質をもつと言われています。

2.委任/(履行割合型)準委任契約

こちらは成果物の完成でなく、期間中の業務行為自体に対して報酬が生じる契約です。
委任契約は法律行為(訴訟委任契約など)を伴うもの、準委任契約は法律行為を伴わないものです。業務委託契約の場合、通常は準委任契約に該当することが多くなるでしょう。

請負契約は成果物の完成に責任を持ち、契約通りのものを納品できてはじめて報酬の支払いを受けることができます。完成させる過程や業務行為そのものではなく、結果や成果を求められる契約なので委任/(履行割合型)準委任契約より報酬の支払い条件がシビアともいえるでしょう。
そのため、受託する際には契約書内でもどちらの契約種類を対象にしているか、必ず確認しておきましょう。

業務委託契約を締結する際に必ずチェックしておきたい9つのポイント

業務委託契約はカバーする範囲が広く、チェックするために求められる知識や経験も多く必要になります。とはいえ創業間もない会社であれば、そこまでの知識や経験はない可能性も高いでしょう。まずは最低限、チェックしておきたい項目をピックアップして紹介します。

※もちろんここで挙げたポイント以外にも契約内容によっては重要な場合もあります。自分で判断できないものは顧問弁護士にも相談することをおすすめします。

1)契約種類と業務内容

まずは上述した業務委託契約種類の確認(大きくは請負契約 or 準委任契約)をしておきましょう。
その契約がどちらの種類に該当するかは、契約書のタイトルに記載されている名称だけでなく、実際の業務内容・取り決めを基準に判断されますが、契約書内の条項も当事者の合意内容を証明するものである以上、その判断基準になります。
そのため、ご自身の認識に即したものになっているか確認する必要があります。

とくに請負契約の場合は、業務内容や成果物が何と規定されているかの確認も大切です。あまりにも業務内容が多岐に渡ったり量を多くしてしまうと、完了させることが難しくなる可能性があります。「がんばります!」という意気込みだけでなく、確実に契約通りのものを納品できるかの見通しも立てておきましょう。

2)報酬の支払いタイミング

業務完了後に受け取る報酬の金額や支払いタイミングについて確認します。

一般的なのは「納品月の月末締め翌月末に銀行振込で一括支払い」というものでしょう。この場合であれば問題はありませんが、着手金と完成報酬が別れていたり、支払いタイミングが数カ月後となっているケースもありますので必ず確認しておきましょう。

3)検収と瑕疵担保の期間

検収とは、成果物の納品後に、納品内容が依頼時の要件を満たしているかをクライアント側でチェックすることをいいます。

通常、納品後に一定の検収期間を定め、検収が完了したら報酬を請求という流れになります。検収期間は過度に長くせず、検収期間を過ぎても検収完了連絡がない場合には「検収が完了したものとみなす」という検収のみなし合格規定を記載し、確実かつ速やかな報酬の支払いを確保しておくと安心です。

検収後に納品物に不備(瑕疵)が見つかった場合に、受託側で対応する義務を瑕疵担保責任といいます(民法改正後は「契約不適合責任」等と言われます)。通常は納品や検収完了後1年間程度になっていることが多いですが、長すぎるといつまでも責任を負いかねない不安定な状況が続いてしまいます。ここも長過ぎないかチェックしておきましょう。

4)契約の有効期限

契約がいつまで有効なのかを確認します。期間の認識がお互いの認識にずれがないかの確認はもちろん、売上が発生するタイミングや期間も考慮し、経営計画上も問題ないか必ず確認しておきましょう。

5)契約の終了条件

有効期限を迎える際の終了条件には「期限を迎えたら終了」「期限前に申し出がなければ自動更新」などのパターンがあります。どのくらいの期間を見込んでいるか実態に合わせつつ、自社側で契約の終了や継続に、一定の決定権が持てるようになっているか注意しましょう。

  • 業務を遂行するリソースがないのに契約を継続しなければならない
  • 意図しないタイミングで一方的に契約を終了されてしまう可能性がある

という状況は、経営においてもリスクになります。必ず注意しておきましょう。

また、期限前でも、終了できる条件が設定されることがあります。自社の不可抗力や先方の都合だけで終了となってしまう可能性が過度に含まれていないかなど、事業運営に影響が出ないように注意しましょう。

6)秘密保持条項

業務を行う過程で入手した情報の流出漏洩・流用を制限する秘密保持条項はよく登場します。

秘密保持義務が存在すること自体は問題ありませんが、契約終了後も一定の条項を有効なままにする存続条項で秘密保持条項の有効期間が設定されていない(=ずっと秘密保持の義務を負う)ケースや、極端に長い期間になっていないか確認しておきましょう。

7)成果物の知的財産権

納品した成果物に対する権利です。もちろん成果物そのものの権利は委託元(クライアント)が持つことが一般的ですが、成果物を構成する要素やノウハウの取り扱いが問題になる場合があります。

たとえば自社独自の技術や、自社で用意したテンプレート素材を活用して成果物を作成する場合などには、そのすべてを何の留保もなく譲渡してしまうと、後になって当該権利を自由に使えなくなってしまう可能性があります。
従前から自社が保有していた権利や使いまわしがきく部分(契約書では「汎用的に利用可能な部分」といったりします)の知的財産権は譲渡されない旨の留保を付けたり、将来も自社での利用権を持つ記述を加えられるか、確認しておきましょう。

8)競業避止義務

中にはクライアントの競合企業へのサービス提供や、同じ領域で事業を行わない競業避止義務が設定されることもあります。短期間であれば実際に問題が生じる可能性は低いですが、市場環境が見通せないくらい先まで設定をしてしまうと、いざというときに自社の事業領域を狭めてしまう可能性があります。
将来どうなるかわかりませんので「この期間なら大丈夫」かどうかをしっかり見極めておきましょう。

9)損害賠償

万が一、契約違反を犯してしまった場合に、どういった損害を賠償しなければならないかを知り、万が一のリスクについて予測可能性をもつために、(そしてできればコントロール可能な範囲内のものにするために)損害賠償条項の内容は絶対に確認しましょう。

業務を受託する以上責任は生じますが、責任の範囲(賠償しなければならない損害の範囲がどこまでか)、金額(特に賠償上限額の有無)、期間(これは可能であれば短く)を設定しておくことで予想できない賠償を請求されるリスクを低下させましょう。

一般的には、請負契約では納品ができなければ報酬が支払われないという条項が多いですが、請け負った業務の金額以上になってしまうような損害賠償責任を負ってしまっていないかは必ず確認しておきましょう。

おわりに

創業間もない企業で、主に受託側として、業務委託契約の締結経験が少ない方向けに最低限チェックしたいポイントを紹介しました。

実際には上記の他にも、重要なポイントや、契約内容によって重要度が異なる場合もあります。リスク以外にもビジネス的な判断が難しいケースもあるでしょう。まずはこのチェックリストで最低限のリスク回避に備えつつ、さらに深いチェックができるように準備や経験を増やしていくきっかけになれば幸いです。

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