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頻度が高いからこそ注意したい、売買契約書の落とし穴とチェックポイント

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この記事でわかること

  • 売買契約書を締結する際のリーガルチェックにおいて、気をつけたいポイントを知ることができます。 (※不動産売買は除きます)

完成した商品はもちろん、部品や原材料などを購入する際に締結される契約が「売買契約書」です。販売がメインの企業では「取引契約」と呼ばれる場合もあります。

普段生活していてコンビニなどで買物する感覚からすると「モノ買うだけで契約が発生するの?」とも思ってしまいそうですが、商品の売買は実施される頻度も高く、ビジネスにおいては必須の契約書です。

しかしこの売買契約、「商品を売買するだけなので、たいして注意する点はないのでは?」と油断していると、思わぬトラブルにつながりかねません。特に、法人と法人との取引では、商品が大量だったり物理的に大きかったりすると、受け渡しをするだけでも一苦労です。

本記事では、売買契約書(不動産売買は除きます)を締結する際のリーガルチェックにおいて、気をつけたいポイントをピックアップして紹介します。とくに、契約締結経験の少ない個人はもちろん、中小企業や個人事業主、スタートアップといった企業の方は、ぜひご参考にしてください。

※本記事は2020年4月の民法改正施行前に書かれものであり、旧法の用語法等が用いられている箇所があります。

そもそも売買契約書ってどんな契約?

売買契約はその名のとおり、商品の売買において締結される契約書です。

大きく分けて、

  1. 契約当事者の一方が持っている財産権を相手に移転すること
  2. 相手への移転と引き換えに代金を支払うこと

の、2つの要素を定める契約になります。つまり、

  1. 財産権の相手への移転(何をどれだけ譲渡するのか)
  2. 代金の支払い(何を条件に、どんな方法でいつまでに誰に支払うのか)

の2点が、売買契約の基本的な要素となり、契約内容の決定においてもこの2つを起点に作成していくことになります。

中小企業・スタートアップが売買契約書で生じやすいトラブル事例

売買契約に伴うトラブルは、上述した2つの要素において発生頻度が高くなります。逆に言えば、この2点をしっかりカバーしておくことができれば、リスクを減らせるということです。

とはいえ、トラブルはどうしても起きてしまうもの。ここではおもに日本国内で締結する、一般的な商品の売買契約において発生しがちなトラブルを紹介します。

※海外企業との取引や、不動産売買ではトラブル内容が異なる場合がありますのでご注意ください。

1.そもそも契約書を作成・締結していない

なんといっても売買契約においては契約の未締結が一番のトラブルです。売買という行為が、商慣習の中で頻度が多いため、契約書を交わさずに売り買いしてしまうケースが多いです。

こうなってしまうと、売る側・買う側ともに”前提となる契約がない”ということになります。トラブルはもちろん、ちょっとした確認においても根拠・拠り所となる契約書に基づくルールがないため、業務面で大きな負荷となってしまう可能性がありますので必ず契約書は締結しましょう。

2.瑕疵担保期間が過ぎてから商品の不備が発覚した

商品の受け渡し後、所定の期間内に不備の発見ができなかったことによるトラブルです。

受領した商品の瑕疵について、商法526条2項では以下のように規定されています。

前項に規定する場合において、買主は、同項の規定による検査により売買の目的物に瑕疵があること又はその数量に不足があることを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その瑕疵又は数量の不足を理由として契約の解除又は代金減額若しくは損害賠償の請求をすることができない。売買の目的物に直ちに発見することのできない瑕疵がある場合において、買主が六箇月以内にその瑕疵を発見したときも、同様とする。

この条文は「任意規定」と呼ばれ、法律で規定はされているが契約書内での書き換えや、上書きにより、契約書に記載されたルールを優先させることのできる規定です。

条文のまま適用すると買主が不利になってしまい、時間が経ってから瑕疵や数量など不足が見つかったがその時には対応できなくなってしまうという可能性があります。

これはたとえば以下のようなケースがあります。

  • 購入した商品に、法律で使用が認められていない原材料が使われていた
  • 購入した商品に使われている技術が第三者の知的財産を侵害していた

受領時の表面的なチェックだけではわからない不具合が、納品から6ヶ月後になってはじめてわかり、販売や事業での活用ができなくなるといったリスクの可能性があります。

3.売買代金以外に追加の費用がかかり収支が合わなくなってしまった

商品によっては配送費用や名義変更、設置費用など商品の購入代金以外に費用がかかる場合があります。これら諸費用をどちらが負担するかによって、意図しない費用負担が発生してしまうことがあります。

また、契約締結後、商品の受け渡しまでに解約する場合、違約金が発生する場合もあります。キャンセルが可能な期間がある場合はいつまでに申し出ができるかなど、忘れずに管理しておきましょう。

売買契約書の締結時に押さえておきたい5つのポイント

このようなトラブルを防ぐために、売買契約において特に確認しておきたいポイントを紹介します。

一般的に、商品の仕様や価格設定などは見落としが生じにくいといえますので、それら以外のリスク要因に気づきにくいポイントを中心に集めました。

1)滅失・損傷リスクの移転タイミング(いわゆる危険負担)

たとえば、契約後だが発送前の商品保管倉庫の火災により、注文した商品が全焼してしまった場合など、商品が予期せぬ事態により滅失・損傷してしまった場合のリスクを売主と買主のどちらが負担するか、リスクを負担者を切り替えるタイミングをどこに置くか、というものです。

一般的には、買主のが商品を受け取った瞬間か、検収が完了した時に、滅失・損傷リスクは買主に移転することになります。検収完了後であれば、買主は商品が滅失してしまっても代金を売主に支払うことになります。他方、検収完了前であれば、買主は代金の支払い義務を負わない、という公平な結論にすることができます。

このように、一般的なリスク移転に関する契約書条文は、所有者(保管者)が危険を負担しましょうという考え方に基づいています。しかし、中にはリスクの移転時期が買う側ではコントロールできないタイミングとなっていることもありますので、ちゃんと確認しましょう。特に、輸送中に故障や劣化の可能性がある商品については確認しておきましょう。

2)代金支払いの条件

商品の引き渡し後、どのタイミングで代金支払いが発生するかの条件です。入金が遅くなれば売る側にとって不利ですし、買う側はできるだけ遅くしたいというのが前提になります。取引によっては、一部代金を前払いするといったケースもありますので、必ず確認しておきましょう。

諸費用の費用負担

商品によっては高額な配送費や設置費、または名義変更の手数料などがかかる場合があります。売買における収支にも影響しますので、これら費用をどちらが負担するかについてあらかじめ定めておきましょう。

3)瑕疵担保期間

こちらは特に買う側の場合に注意が必要な項目です。

上述した商法526条は任意規定となっており、契約書で定めることで、契約書に記載したルールを優先させることができます。商品の特性などを考慮し、必要によっては本条を適用しない条項、瑕疵担保責任の追及可能期間を検収完了時から1年間と定める条項などを、契約書に入れることを検討しましょう。

※2020年4月1日から施行される改正民法では、瑕疵担保責任は契約不適合責任というものに変更されます。とはいえ、契約内容に適合しないものが納入された場合の、売主に対する責任追及手段という点では、瑕疵担保責任と同様の役割を果たすものです。要件や取りうる責任追及の手段が変更されますので、そちらもチェックしておきましょう。

4)途中解約時の規定

また、買う側の場合は一部金額を前払いすることで、手付金として機能させ、解約を生じにくくする場合があります。こちらも自社の意図と相違がないか確認する必要があります。
また、万が一解約となり商品を仕入れられなくなった場合に、商品の転売により得られたであろう利益を賠償請求できるか確認しておきましょう。

おわりに

主に中小企業や個人事業主、スタートアップ向けに、売買契約で気をつけたいポイントを紹介しました。

また、AIによる契約書チェック支援サービス「AI-CON」では売買契約書のチェックも行っています。NDA(秘密保持契約)チェックは1通無料で利用できますので、ぜひ一度AI-CONを試してみていただければ幸いです。

著:有賀 之和(AI-CON事業責任者)

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